債務整理

債務整理とは?知ってほしい基礎知識

借金するのに抵抗を感じる人は多いですが、皆それぞれの理由があり、お金を借りなくてはいけない状況があります。
借りたときは計画的に返済していくつもりだったとしても、また様々な事情により返せなくなることも良くあります。

 

借りたものは返さないといけないのは当然のことですが、その借金を返せなくなったときにはどうしたらいいのでしょうか?
そんな人の救済措置としてあるのが、債務整理です。

 

債務整理とは、債務(借金)を整理する方法をまとめてそう呼びます。
借金を帳消しにすると勘違いする人もいますが、金利を減らしたり、元金を減額してもらったりと、種類があります。

 

≪どんなときに債務整理が必要か≫

債務整理は、誰もが行えることではありません。
以下のような状況にある人は、債務整理をした方がいいでしょう。

  • 毎月返済はしているけど、元金が減る見通しが付かない
  • 浪費が重なり月々の支払いがとうとう限界に達した
  • 事業の経営が悪化し、借金は減るどころか増えるばかり

 

このような状況に陥った人は、なるべく早く債務整理を考えた方がいいでしょう。
自分は債務整理するほどではないと思っていても、月々の支払いをし続けているのに借金が全然減らないようでは、この先行き詰まることが目に見えています。
そんな状態になるまで放置するよりは、早く対策した方が賢明ですよ。

 

≪まずは返済計画を立ててみよう≫

自分に債務整理が必要かどうかは、まず返済計画を立ててみるといいでしょう。
現在の債務額、月々可能な返済額、返済期間、金利などの情報をまとめて、この先債務が減らしていけるのか見てみるのです。
改めて自分の債務状況を見てみて、愕然とした人もいるのではないでしょうか?
債務期間を短くしたい、月々の支払い額を減らしたいという場合にも、債務整理は役に立ちます。
自分で整理する方法もありますが、相談機関もたくさんあるので、借金について悩んでいる人は金額に関係なく一度相談してみるのもいいでしょう。

債務整理の種類と方法

債務整理というのは、ひとつの手段を指しているのではありません。
目的に応じて適した種類というものがあるので、ここでは債務整理の種類について見てみましょう。

 

≪任意整理≫

まず債務整理の種類として真っ先に挙げられるのが、任意整理です。
任意整理とは、債権者と債務者が話し合いをすることで、債務を整理していく方法です。

 

どんな方法で債務を減らしていくのかというと、利息分を減らしていく方法があります。
将来支払う利息を減らしていけば、その分元金へ支払いを充当することができ、債務を減らすことができます。
誰にでも向いている方法ではなく、利息を減らせば3年から5年の間で完済の見込みがある人に限られます。

 

≪個人再生≫

任意整理でも借金を返済できる見込みの無い人は、個人再生という方法があります。
個人再生は比較的新しい債務整理の方法で、自己破産をどうにか避けたいという人のために設けられた制度です。
持ち家を処分せずに他の債務のみを整理するのに向いています。
個人再生でもさらに小規模個人再生と給与所得者再生の2種類に分類されます。
非常に便利な方法に思われますが、任意整理と同様に色々と条件をクリアする必要があります。

 

≪自己破産≫

任意整理でも個人再生でも駄目だという場合には、自己破産という手段が残っています。
自己破産を申し立ててそれが認められると、借金をすべて帳消しにできます。

 

さらに債務者からの取り立ても止められるので、精神的な不安を減らすことができます。
自己破産をするには面倒な手続きなど様々な条件をクリアする必要がありますが、大きくのしかかった債務で精神的に追い詰められた人にとっては、最終手段の逃げ道になります。

 

また、自己破産によるデメリットばかりが大きく騒がれますが、してみると思ったよりもメリットが多いことに気付きます。
自ら人生を終わりにし取り返しのつかないことになってしまうことを考えれば、自己破産で再スタートをする方がずっと有益だと言えるでしょう。

債務整理のメリットとデメリットまとめ

債務整理には任意整理、個人再生、自己破産、特定調停の4種類があります。
いったいどのようなメリット・デメリットがあるのか、まとめてみました。

 

≪債務整理のメリット≫

債務整理のメリットは、今払い続けている債務を減らし、ストレスも減らすことができるという点が大きいでしょう。
自ら手続きをする人もいますが、弁護士や司法書士に依頼することにより、すぐに取り立てを止めることができます。
払えない借金の取り立てが来るのはかなりのストレスなので、これはかなり助かりますよね。

 

また、債務整理それぞれの種類によって、異なるメリットもあります。
任意整理は裁判所を通さずに済み、資格制限も官報掲載もありません。
引き直し計算によって過払い金が発生していれば、戻ってくるお金があるかもしれませんね。
また、債務整理をする債権者を選べるという点も挙げられます。

 

個人再生の場合は負債が原則5分の1までカットされる上、住宅ローンがあっても自宅は処分せずに済みます。
他にも保険や自動車もそのままで大丈夫です。

 

特定調停は手続きが簡単で、少ない費用で自分で行うことができます。
負債理由は問われず、任意整理と同じ様に債務整理をする債権者が選べます。
自己破産は多額の債務でも、支払い義務を無くすことができるということが大きなポイントでしょう。

 

≪債務整理のデメリット≫

債務を減らすことができる代わりに、デメリットも発生します。
最初に挙げられるのが、信用情報機関に載ってしまうということです。
その情報の保管期間は5年から7年間と言われており、その間は新たな借入ができなくなります。

 

また、自己破産の場合ですが、債務をゼロにできるという大きなメリットを得られる代わりに、自宅などの大きな資産は処分しなくてはいけないデメリットがあります。
信用情報機関もそうですが、官報と破産者名簿に名前が載ることになります。
それに負債を負った理由がギャンブルや浪費だと免責されないこともあります。
それぞれのメリット・デメリットを良く考えて、どの債務整理がいいのか決めましょう。